ゐるの日記

日々の印象に残った事を書いています。

象とウサギに助けられた話

 

今年もこの季節がやってきました。医療関係の仕事をしていると必ずついて回るアレです。そうインフルエンザの予防接種です。私は注射がめっっっっちゃくちゃ苦手なので、泣く泣く我慢しながら毎年受けてきました。それが...今年も...きました...。

 

私の職場は1日2人づつ受けていくので、既に受けた人の口コミが入ってきます。A「今年のは痛かったよ〜」B「みて〜腫れてきた〜」。えええ!絶対受けたくない。怖すぎる。確かに同僚の腕をみてみると腫れています。普通に考えて、皮膚が膨らむのはおかしいし、どれだけ液を入れているんだって話です。腕を上げるだけでも痛いし、筋肉痛のような痛みがするらしいです。もうここまでくるとケガですね。予防接種を受けたくない気持ちがどんどん強くなってきます。

 

さらに私が予防接種を受けたくない理由はまだあります。それは、予防接種をしてから一週間ほど本気で体調を崩すと言うことです。痛い思いをして安くないお金を払って風邪にかかりに行くようなものです。誰が行きたいと思うんでしょうか。これでインフルエンザを100%防いでくれるならまだ許せます。でも、予防接種をしていてもインフルエンザになる可能性があるというではないですか。もうなんなんでしょうか。予防接種も業務の一環です。予防接種が嫌過ぎて、医療関係から離れたいくらいです。こんなグチグチ言っててもしなければならない事はしなければなりません。

 

そんなこんなを言っているうちに予防接種の当日になりました。空も大雨ですし、私の気持ちを表しているようです。待合室で地獄のような顔をして待っていると、5分ほどで私の名前が呼ばれました。私はトボトボとした足取りで部屋の中に入っていきます。部屋の中には若いドクターと少しおばちゃんの看護師がいました。予防接種の意思を確認された後、予防接種をどっちの腕で受けたいか質問されました。私は腕を一本捧げるつもりで、利き手ではない左腕を差し出しました。もう左腕は帰ってこないかもしれません。服とヒートテックを捲り上げ、肩をドクターの方に向けます。ここであることに気付きます。右上に画面があり、ピンク色の象とオレンジ色のウサギが楽しそうに遊んでいます。私は無心になりながら画面の象とウサギを眺めます。皮膚をアルコールで拭く感触があります。そして、「チクッとします」の声とともに針が体内に入ってきます。私は無心で象とウサギを見つめています。針から液が入ってきます。痛たたたたた。我慢できるけど、普通に痛いです。画面の象とウサギがダンスを始めたので、一緒に心の中で踊り狂っています。針が体内から抜けました。四角い絆創膏を貼っておしまいです。画面の象とウサギから視線が外れ、現実世界に戻ってきました。ドクターにお礼を言って部屋を出ます。左腕にあまり痛みは感じません。良かったと一安心しながら病院を後にしようとしたとき、激痛が襲います。棚に置いていた靴を左手で取ろうとしたからです。本当にひどい筋肉痛の感覚です。しょんぼりしながら靴を並べ、病院から出ました。

 

今年は予防接種の後に風邪の症状は出ませんした。そのかわり2.3日はめちゃくちゃ眠かったです。予防接種は痛かったですが、象とウサギのお蔭で泣くこともなく平穏無事に終わりました。確実に子供用でしたが、私にも効果抜群でした。今年はたぶんこれでインフルエンザになる確率は激減したでしょう。この痛みで予防できるなら良いと思い込むしかないですね。今年もお願いしますよ予防接種。