ゐるの日記

日々の印象に残った事を書いています。

往復3時間かけてヤマダ電機に行ってきた話

 

ふと思った訳です。スマホのアームスタンドが欲しい。ベッドで寝転がっている時にアームスタンドがあればどれほど便利なんだろう。昔から1つのことにこだわりだすと、それしか目に入らなくなる性格です。私はどうしても何をしてでもスマホのアームスタンドを手に入れたくなりました。そこで、私は一番近いヤマダ電機に行く計画を立て、5分後には出発していました。

 

クソ田舎には家電量販店なんて滅多にありません。Googleマップでは2つ北の市にヤマダ電機があると言っています。なので私は、自転車に乗り込み脚力のみで出かけることにしました。

 

15分経過

まだまだ見慣れる街の風景が続きます。変わった事といえば、快活クラブが閉店して更地になっていましたね。よく行ってたので残念です。

 

30分経過

いよいよ知らない土地にやってきました。開拓者の気持ちになってどんどん進んでいきます。ここでなんとジョーシンを発見しました。Googleマップにはこんなところにあるなんて書いてなかったぞと思いつつも、今回の目的地はヤマダ電機と決めたので、ジョーシンはスルーしました。

 

45分経過

大通りから一本細い道に入り、いよいよ近づいてきました。ここでもまた別のジョーシンを発見しました。これはジョーシンに行けという思し召しなのかと感潜りましたが、ここもスルーしていきます。

 

1時間経過

やっとヤマダ電機に到着しました。自転車で1時間なんてどれだけ遠いんだと思って確認すると12キロも走ってきていたようです。達成感が半端ではありません。自分を褒めつつ店内に入り、目的のアームスタンドを探します。しかしここでトラップが発動。田舎の家電量販店は面積がめちゃくちゃでかい。こんな家電ジャングルの中から探せる気がしません。30分探し回った結果やっと見つけました。ですが値段を見てみると2000円。気持ちは1000円のつもりで来てたので、急に倍の出費です。しかも、2000円クオリティとは思えないほどの雑さが目立つ商品。買うか悩んだ結果、諦めました。1時間かけて来ておいて、何も買わないのも気分が良くないので、単3電池を買いました。

 

1時間半経過

ここからが地獄の始まりです。また12キロも帰らなければなりません。私は雨が降る前に帰るぞと心に誓い、自転車を漕ぎ始めました。帰りのテンションは上がりません。なにせ、アームスタンドは買えず、帰りは全て見知った道です。雲行きも私の気持ちも陰っていきました。

 

2時間経過

足がパンパンになってきました。太ももとお尻が限界を迎えており、痛みとしてSOSを発信しています。この時頭の中は、足がパンパンアンパンマンというこの上なくしょうもない言葉でいっぱいになっていました。またこの時初めて気づきましたが、行きはやや下りになっていたようです。つまり帰りはやや上り。身体にさらに負荷がかかります。

 

2時間半経過

ついに自転車を降りました。もう足が動きません。私のHPは2時間半自転車に乗ると0になる事が判明しました。魔王を倒す前に気づけてよかったです。そんなこんなをしているうちに、雨が降ってきました。小雨ですがサーサー降っています。今日は新しい服を着ていたのですが、早速雨に濡れました。新しい服を濡らし、風で髪はボサボサ、疲れ果てた顔の女が雨に打たれています。泣けてきますね。

 

3時間経過

ついに家にたどり着きました。扉を開けた途端に気が緩んで崩れ落ちました。すると急に襲ってくる達成感と虚無感。3時間かけてヤマダ電機を往復しただけです。貴重な休みの日を切り裂いて、ヤマダ電機を往復しただけです。とりあえず雨と汗でぐちゃぐちゃになっていた服を洗濯機に放り込み、ベッドにダイブしスマホを眺めながら、アームスタンドが欲しいと呟いて眠りに落ちました。

 

後日談

スマホのアームスタンドはメルカリで購入しました。700円で売っていました。なぜヤマダ電機を往復する前にチェックをしなかったんでしょうか。新しい土地を知れた、自分の体力を知れた、などプラスになるように捉えようとしてみても、何も生み出さないお話でした。